富田の鯨船「鳥出神社の鯨船行事」【富田地区】
市内には、古式捕鯨の様子を陸上で再現した全国的にも珍しい「鯨船行事」が、8組伝わっている。
毎年8月14日15日に執り行われる富田地区の鳥出神社祭礼に奉納される「鳥出神社の鯨船行事」は江戸時代末期から始まったとされ、北島組‶神社丸″、中島組〝神徳丸″、南島組〝感應丸″、古川町〝権現丸″の4艘が繰り出す勇壮な行事で、平成9年に国の重要無形民俗文化財に指定され、平成28年12月1日に全国33件の「山・鉾・屋台行事」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録された。
屋形が載った船型山車は、絢爛豪華な彫刻、刺繍で彩られる横幕、金糸で構成されたサガリなどの装飾が施され、それぞれの船によって意匠が異なる。船上には羽刺しや櫓漕ぎ、屋形には太鼓叩きが乗り込んで、唄と太鼓に合わせて勇壮に繰り動かし、逃げたり反撃したりする張りぼての鯨を仕留める。ことに富田の鯨船は大きく横揺れするのが特徴である。