花火一口メモ

花火は打ち上げられた花火の現象を見て楽しむものですので、なかなかその構造を知ること ができません。
また花火は一瞬で咲き、消えてしまい、また現場は立入り禁止の為、一般の人には構造ばかりでなく、打上げる方法なども馴染みの無い物です。このページでは花火玉の 構造を単発打上、早打を取り上げて解説します。

「花火の基本構造」単発

花火の構造は、おおよそ右記の様になります。花火玉が筒から発射されると、玉の導火線が燃焼しながら上昇し、上空で割薬に火が入り爆発します。爆発により星が燃えながら四方八方に飛び散る訳です。花火の単体打上げは運動会や信号煙火を打上げる際に多く使われる打上げ方法で、最も基本的なものです。その方法は筒を強固に固定し、発射薬と花火玉を入れます。その後、投込み(シントル・手牡丹などとも呼ばれる)に火をつけて筒の中に投げ入れることになります。

割薬

花火を爆発させて星を遠くに飛ばす役目をします。もみがら等に火薬をまぶし乾燥させたものを使用します。

花火の花の色は、この星によって決まります。 小さな石こう等に色火を出して燃える火薬を「コンペイトウ」を 作る要領で作ります。この作業中に火薬の色を変えると途中 で色の変化する花火になるのです。

導火線

打上筒の打ち上げ火薬に点火すると花火玉は発射されますが、同時に玉の導火線にも点火され、ある一定の時間(3号であれば約3秒)燃えて(その間花火は上昇する)、導火線が燃え尽きると割り薬に点火することになります。 大きい玉になりますと念のために2本つける場合もあります。

玉皮

花火を丸くかたどる為の花火のケースみたいな物です。花火玉を作る時には、半球状のものを2ケ使用し球状に合わせる事で使います。ダンボールの材質に似た紙で作られています。昔はそれぞれの花火屋さんで作りましたが、今では専門のメーカーが一手に引き受けています。玉皮の上にさらに紙を貼り花火玉は完成します。

発射薬

花火を上空まで打上げる仕事をします。黒色火薬を使用しますが、その量は5号玉(直径15cm)で約50g、10号で約500gほどです。

投込み

単発打上げで発射薬に点火するための火薬の固まりです。1cmから2cmほどの火薬ですが、燃焼はややゆっくりしており、手のやけどを少なくします。燃焼が早いとやけどになるし、遅いと筒から出ても燃焼を続け地面におちて火災を発生させてしまうケースもあります。

「花火の基本構造」早打

早打の特徴は1本の筒で沢山の花火玉を連続して打上げるこ とができるということでしょう。あらかじめ花火玉に発射薬をつけておき、真っ赤に焼いた焼金の入った筒に投込むのです。投込むとすぐに花火は発射されますので、俊敏な動作で筒口から手を引っ込める必要があります。1発が打ちあがるとすぐに次の玉を投げ入れます。近頃では電気点火で少なくなってきている方法ですが、花火師の腕の見せ所でもあります。

取手

早打を行なうには、花火玉を片手でつかむ必要があります (もう一方の手は発射薬を火の粉から守るために使えない)。 花火玉は丸いものですから、うまくつかむことができません。 そのため、紙のパイプ状のものを玉にあらかじめ取りつけて おくのです。

焼金

投込んだ、花火玉の発射薬に点火する役目です。筒の径に合うように作った鉄板やチェーンなどを炭やガスコンロで熱し、真っ赤にして使用します。この焼金を上手に焼く ことも経験が必要です。

発射薬

早打の発射薬は花火玉の導火線の所にテープ等で固定されます。現在では専用の火薬袋があり、便利になりました。